J-Law°

司法試験・予備試験受験生やロー受験生のモチベーション維持のために、定期的に問題の検討をしていきます。

検討課題15:問題編~思想良心の自由の基本問題~

思想良心の自由はやや分析的すぎる考え方をしているし、

実際のところ、書きにくいと感じているので、避けていましたが、

検討資料としては提供できると思います。

問題は、憲法事例演習教材Case25です。

※この問題集は網羅性があるという点では非常にいい問題集だと思います。ただ、答案を書くとなると、解説から書き上げることが難しいと感じました。すべての問題ができる必要はないと思いますので、いい問題だなと思ったところをピックアップし、ストックしておくといいと思います!

 

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【事 案】

 Xは、県立A高校の社会科教員であるが、学生時代には文学部で天皇制研究で著名なB教授の研究会に所属し、明治期の天皇制について国家の集権体制を強化するための大規模な精神的装置にすぎなかったとする卒業論文を作成した。教員となってからも、Xは親しい同僚の教員らと話すときには、国家の権力維持の補完装置としての天皇制の研究が自分のライフワークだと述べることがあった。そのような中で、卒業式の時期が近づいたころ、ネット上にA高校の卒業式で教員の中に国家である「君が代」斉唱をボイコットする動きがあるという記事が載った。それを知った校長のCは、県教育員会の通達や学習指導要領にも卒業式や入学式において教員は起立して斉唱するようにとされている「君が代」の斉唱を確実にするために、卒業式では教員が必ず起立した上で、隣に聞こえるように声を出し教員同士で実際に歌っていることまで確認するようにして、「君が代」の斉唱を確実にするために、卒業式では教員が必ず起立した上で、隣に聞こえるように声を出し教員同士で実際に歌っていることまで確認するようにして、「君が代」を斉唱するようにとの職務命令を出した。しかし、Xは「君が代」が権力維持装置としての天皇制を精神面で強化するものに過ぎないという考えに基づいて、卒業式における「君が代」斉唱時に起立せずまた十分に斉唱しなかったとして、県の教育委員会(Y)から職務命令違反を理由に戒告処分を受けた。

 そこで、Xは上記職務命令は憲法19条に違反するとして、Yに対して、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めて訴えを提起した。

 

【問 題】

 Xはいかなる憲法上の主張をするかについて、Yの反論を踏まえて、論じなさい。

 

※「反論を踏まえて」と言われたときは、「確かに~。しかし…。」という程度に触れればよいと思います。主張・反論・私見という形での展開は求められていません。

 

7月2日に合格思考憲法[改訂版]が発売することもあるので、明日、一気に本問の検討までしたいと思います!

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