J-Law°

司法試験・予備試験受験生やロー受験生のモチベーション維持のために、定期的に問題の検討をしていきます。

interval : 司法試験予想問題民法【問題編】

どーも。

いま、最終段階の作業がゴリゴリ来ているのと、刑裁修習が裁判員裁判というのとで、めちゃめちゃ忙しくなってしまっています。

本来であれば、財産権のオリジナル問題を出そうと思ったのですが、まだ、検討資料となる原稿ができていないので、intervalにしました。

 

このブログをやるにあたって、パソコンのフォルダをあさっていると、

思いのほかいろいろ発見があり、思い出に浸りを繰り返しています。

 

憲法の問題でいえば、昨年の慶應ロー予想問題で扱った問題があるんですが、

解説を作るのめんどくさくて、作ってなくて、

実際、いまの自分では正しい方向になるかも不安で、出せません笑

※ちなみに、予想問題は本番よりむずかったけど、論点は当たってたよ!

 

ふと、予想問題で思い出したのですが、民法の司法試験の予想問題を作ったなぁと。

本番前になにしてんの!って感じだけど、

とりあえず、それで2日間は稼がせてもらいます!許して!

 

設問2がおススメ!判例の射程の復習になります!

 

なお、解説は旧法ですが、条文と文言が変わるだけでそれほど大きい修正はないと思うので、そこは読み替えてくれ!

 

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[民事系科目]

 

〔第1問〕(配点:100〔〔設問1〕〔設問2〕及び〔設問3〕の配点は,35:40:25〕)

次の文章を読んで,後記の〔設問1〕〔設問2〕及び〔設問3〕に答えなさい。

 

【事実】

1.Aは,工務店を営んでおり,主として,住宅用建物の建築を専門としていた。建築業を営むにあたっては,設計・施行という業務が存在する。Aは,依頼を受けると,一級建築士であるBに,注文者の要望を伝え,設計図を作成してもらい,この設計図に基づいて建設工事を行う形で,仕事をしていた。

2.平成29年7月1日,Aは,注文者Dからの依頼で,Dの所有する土地(以下「甲土地」という。)の上に2階建ての住居(以下「乙建物」という。)を建設することになった。当該契約では,工事完成期日を同年10月31日,報酬金の支払いを乙建物の完成引渡しの2週間後の同年11月14日と定められていた。

3.同年7月2日,Aは,Bに対して,従来と同様に,Dからの要望を伝え,乙建物の設計業務を委託した。

  AB間の契約書では,表題が「業務委託契約書」となっており,その内容として,乙建物の設計を依頼すること,設計図の完成後,注文者の要望が適切に反映されているかを注文者本人に確認してもらい,確認がなされた上でBに対してAから報酬が支払われること,報酬額は300万円とし,乙建物の建設の施工開始時に100万円,残金200万円を乙建物の完成引渡しの3週間後の同年11月21日とする旨が定められていた。

4.同年7月28日,Bは乙建物の設計図(以下「本件設計図」という。)を書き上げ,Dに確認を求めた。同日,Dによる確認がなされた上で,Aに本件設計図が手渡され,Aが乙建物の施工工事を開始し,10月31日に乙建物は完成し,Dに引き渡された。なお,Aは,Bに100万円を支払っている。

  Dが居住を始めたところ,同年11月10日の大雨により乙建物2階の書斎に雨漏りが生じた。この雨漏りは,乙建物の防水構造の設計上のミスが原因によるものである。

 同月11日,Dは,Aに対し,補修工事を求め,Aにより,早急に屋根の補修工事を行われた。Dとの交渉の結果,補修工事の費用である200万円を控除した額を乙建物建設工事の報酬額とし,Aは,控除された報酬金の支払いを受けた。

5.Bは,Cから,弁済期を平成29年11月14日として,150万円を借りていた。しかし,平成29年11月当時,資金繰りに苦しんでいたBは,同月14日までに150万円を用意することができなかった。

  そこで,Bは,平成29年11月15日に,Aに対する200万円の未払報酬債権を貸金債務150万円の代物弁済として,Cに譲渡した。なお,Cは,Bから本件設計図を見せてもらっていたところ,防水構造について設計上のミスがあることを認識したが,その後,Aに対して,補修工事をしたことの聞くなど連絡を一切とっていない。

  翌16日,Bは,Aに対して,Aに対する未払報酬債権をCに譲渡したことを記載した確定日付のある内容証明郵便を発送し,翌17日にAに到達した。これを受けて,同日,Aは,Cに対し,異議のとどめのない承諾をした。

6.平成29年11月22日,Cは,Aに対し,未払報酬債権の履行として200万円の支払を請求した。

 

〔設問1〕

【事実】1から6までを前提として,【事実】6のCの請求に対し,Aは,いかなる反論をすることができるか,解答しなさい。

 

 

【事実】1から6までに加えて,以下の【事実】7から10までの経緯があった。

【事実】

7.Dには,息子E(平成29年12月1日時点で11歳である。)がおり,Eの親権者はDのみであった。平成29年12月1日,Dが交通事故により死亡した。Dは,遺言で,未成年後見人として,Dの妹であるFを指定した。これにより,Fが未成年後見人となり,DはFのもとに引き取られた。なお,EのほかにDの相続人はおらず,また,Fの他に未成年後見人はおらず,後見監督人も設置されていない。Eは,甲土地及び乙建物の管理はFに全面的に委ねていた。

8.Fの元夫であるGは,800万円の貸金返還債務を負っていた。そこで,Gは,Eの生活資金や教育資金等を目的として,信用組合Hより1000万円の融資を受け,その一部を自らの債務の弁済に利用する計画を立てた。

  Gは,Hに対し,融資を申し込んだところ,Hは融資の条件として,Eの甲土地及び乙建物に抵当権を設定することを提示した。Fは,Eに債務を負わせたくなかったが,教育資金等が足りていないと感じていた。そこで,Gの債務の弁済に800万円を使い,その残額200万円をEの教育資金として利用することを,Gとの間で確認し,抵当権の設定に協力することにした。

  平成29年12月10日,Hは,Gに対し,弁済期を平成30年12月31日として1000万円を貸し付けた。そして,同日,Fは,Eを代理して,G社の貸金返還債務を担保するために甲土地及び乙建物に抵当権を設定する旨の契約を締結し,抵当権登記が設定された。

  契約締結に際して,Hは,Gが債務を負っていたことから,Gの弁済に利用するのではないかと疑問を抱き,その旨をF及びGに確認したが,F及びGともに,Eのために利用することを明確に述べ,Eに無駄な負債を負わせたくないとの理由から,Gが借りる形にしたとの説明を受け,それ以上の追及をしなかった。

9.平成30年1月10日,Fは,乙建物を賃貸し,その収入を自身の教育資金に利用することを思いついた。Eとの相談の上,賃貸することを決定した。そこで,Fは,Eに代理して,同月25日,Iとの間で,期間5年,月額20万円,毎月末日に翌月分の賃料を支払うとして,乙建物の賃貸借契約を締結し,乙建物を引渡した。なお,Iは抵当権が設定されていることを知っていたが,期間・賃料の設定などの契約内容は,周辺の同様の物件と比較して,適当なものである。

10.平成30年2月1日,Hは,Iが乙建物に居住していることを知った。Iが居住していることで,抵当権の実行に際して,売却先が見つからなくなるおそれがあると感じたHは,Iに対し退去を求めた。

 

〔設問2〕

【事実】1から10までを前提として,【事実】10のHのIに対する退去請求は認められるか,理由を付して解答しなさい。

 

 

【事実】1から10までに加えて,以下の【事実】11から13までの経緯があった。

11.E(現在11歳)は,平成30年7月1日,近所の公園(以下「本件公園」という。)で,サッカーを友人らとしていた。本件公園にはサッカーゴールが設けられており,ボールでの遊びを禁じていなかった。サッカーゴールの後方10mの場所には,フェンス(高さ約1.5m)で囲われており,歩道及び自動車道と本件公園の間には,幅2mの側溝があった。そのため,フェンスを超え,道路に転がる可能性はあるが,過去に小学生の蹴ったボールが公園の外に出たことはほとんどなく,超えたとしても側溝に落ちるにとどまり,道路に出ることはなかった。

12.Eが,サッカーゴールに向けてボールを蹴ったところ,ボールはゴール後方に位置するフェンスの上を超え,側溝の端にぶつかり,そのはずみで,道路に転がり出たところ,自動車で進行してきたKは,子どもが飛び出してきたと勘違いし,ハンドルを切り,道路脇の電柱に衝突した。

13.Kの車には,恋人であるJが乗車していた。【事実】12の事故の際,Kは,携帯電話の操作をしており,片手運転であり,この事情も事故の原因になったことが確認されている。【事実】12の事故により,Kは無事だったが,Jは,右腕を骨折した。この骨折は,治療費として30万円相当の損害である。なお,JとKは,同居を始めるための荷物の運搬途中であり,事故当時,同居をまだしていなかった。

 

〔設問3〕

 【事実】1から13までを前提として,Jが【事実】12に記した損害の賠償は,いかなる根拠に基づき誰に対して請求することが認められるか解答しなさい。また,賠償額に対する反論としていかなる反論が考えられるか解答しなさい。

 

 

※明日、作成者の意図を掲載します!